インフルエンザ治療薬「タミフル」を服用するときは副作用と異常行動に注意

インフルエンザ治療薬「タミフル」の副作用について知っておくことで万がいちの場合でも適切に対応できるように準備が必要です。タミフルの副作用には軽いものから重いものまで確認されています。ここでは、インフルエンザ治療薬「タミフル」の副作用について紹介します。

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タミフルの副作用

タミフルの主な副作用は下痢

タミフルはA型インフルエンザの治療や予防のために使用される薬です。ウイルスの増殖を抑えるのに非常に効果的ですが、副作用も存在します。

タミフルの副作用で一番多いのが嘔吐、下痢などの消化器系の症状です。副作用は軽い下痢程度で済むケースがほとんどです。しかしごくまれに吐血、全身の皮膚の発赤、ただれ、水ぶくれ、尿量の減少、むくみなどの重い症状が出ることが報告されています。

タミフルを服用した後に消化器系や全身に重い副作用が出た場合は、ただちに薬の服用を中止して医師に相談しましょう。

他にも10代前半までの子供に精神、神経症状の副作用が生じる可能性について指摘されています。精神、神経症状は、意識障害、異常行動、せん妄、幻覚、妄想、痙攣などが挙げられます。これらの症状はインフルエンザの高熱によって引き起こされることもあるので、タミフルの副作用かどうかはっきりしていません。

事故などの危険を避けるために、高熱が出ていて、タミフルを服用している間は、患者の状態や言動の変化に注意する必要があります。10代後半以降になれば、これらの神経症状が出ることはほとんどありません。

解熱剤はNG!妊婦は慎重に使う

タミフルと一緒に飲んではいけない薬は、基本的にはありません。しかし、インフルエンザにかかっているときに、ロキソニンやバファリンのような解熱鎮痛剤は飲んではいけません。

風邪を引いて熱が出たときに解熱剤を飲むことは一般的で、インフルエンザのときもこれらの薬を使いがちです。しかし、インフルエンザを発症しているときにこれらの薬を飲むと、ライ症候群や脳症を併発する恐れがあるのです。

妊婦はタミフルの服用には注意しなくてはいけません。過去の研究で、妊娠中にタミフルを服用したことで胎児に悪影響が出たという実験結果や報告はありません。しかし、妊娠したマウスにタミフルの有効成分を投与すると、胎盤を通して胎児に薬の成分が流れたことが判明しています。

このため添付文書には「治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合のみ投与することができる」と記されています。

妊婦の場合、インフルエンザの症状が重くて早急に治療しななければならないような場合にタミフルを服用します。症状が軽く、自然治癒でも回復する見込みがあるようなケースであれば使用しません。

タミフルを服用して、胎児に影響が出たという事例は報告されていません。妊娠中にインフルエンザにかかり、治療が必要と判断された場合はタミフルを服用しましょう。

タミフルと異常行動の関係ははっきりしていない

タミフルは、服用後に異常行動が見られたという報告が多数あがっています。突然立ち上がり徘徊する、怯えて外へ飛び出す、興奮状態となり暴れる、話しかけても応じないなどの例があげられます。

タミフルを服用した患者がベランダから転落したという事故も起き、タミフルは危険な薬、という認知が広まりました。厚生労働省は、2015年から2016年にかけて、タミフルと異常行動の因果関係について調査をおこなっています。

その結果、タミフルを服用して異常行動があらわれる割合は、全体のわずか7%でした。異常行動が最も多くあらわれたのがイナビルとアセトアミノフェン(解熱鎮痛剤)を一緒に飲んだ場合で、割合は22%です。また、何も服用しない場合の割合が14%だったことから、タミフルと異常行動の因果関係ははっきりしませんでした。

厚生労働省によると、異常行動の原因は「インフルエンザ脳症、脳炎の症状」であるという見方が強いようです。

インフルエンザは病原性が強く、免疫が大きなダメージを受けて正常に機能しなくなることで、異常行動が起こると言われています。海外ではタミフルによる異常行動は、子供の患者を含めあまり見られていないようです。また、脳症、脳炎は日本人に多いとされています。

異常行動は子供に多い

タミフルによる異常行動は8歳から13歳の子供によく見られます。また、男性やワクチン摂取を受けていない人にも多いと報告されています。異常行動が起こるのは、発症から2日以内の睡眠中や寝起きのタイミングです。データを見ると10歳前後の子供に多いですが、まれに大人にも見られます。

飛び降りや転落など重度な行動はあまり見られません。しかしそうした症状が出る可能性は全くないわけではありません。また、夢見が悪くなったり、現実と夢の区別が曖昧になることもあるので、注意しなくてはなりません。

成人以降は、年齢ごとの発生割合はそれほど変わりません。しかし、20代の若い世代や高齢者は、内蔵機能の低下によって副作用が出やすくなることもあります。

タミフルは作用の強い薬なので、異常行動の他にも副作用が起こります。多いのは腹痛、下痢、吐き気などです。痛み止めや下痢止めなどは、ウイルスの排出を止めてしまうため服用を避けましょう。

タミフルはインフルエンザに効果があり、どの世代でも服用できる薬です。注意をよく守り、正しく服用すれば安全にインフルエンザを治療できます。

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